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後発品…ジェネリック医薬品…とは? [医薬品]

kohatu.jpg後発品とは、先発品と有効成分が同一であり、
かつ用法・用量が同一であるものをいいますが、
先発品と同じ添加物が使用されていない場合もあります。

米国では「後発品と先発品は必ずしも同等ではない」との認識
に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は『承認医薬品と治療同等性評価』
(通称「オレンジブック」)で後発品のランク付けを行っています。
そして、米国ではFDA が年間数十億円の費用を投じて
後発品の治療同等性を評価しています。
日本においても今後、後発品の利用促進により
薬剤費を減らそうとするのであれば、
ある程度の費用をかけても、後発品の審査をしっかり
行っていっていかなければなりません。



ただ、さらに医療費の増加が予測されていますので
後発品を利用することで医療費の増加を抑制しようという考えに基づくならば
政府の考え方は決して間違ってはいないと思います。


しかし後発品の有効性・安全性に関して十分議論がなされ、
国民的理解が得られているのか、やや拙速な感じがあります。




先発品の承認申請時にはさまざまなデータが求められるのに対して、
後発品の場合には
品質の安定性と生物学的同等性試験のデータが求められるだけです。


 後発品の安定性試験は加速試験のみであり、それも完全包装状態での試験です。
加速試験は40℃、相対湿度75%の環境下で完全包装状態のまま
6ヵ月保存して、製剤の安定性を調べます。
安定であれば、室温で3年間安定であると厚労省の判断があります。
しかし実際の臨床では、例えばアルミ包装の錠剤の場合、
アルミ包装を破ってPTP シートを取り出すと、
光や湿度に曝露されますし、
1回量包装にする際にPTP シートから取り出しますが、そこでも環境の影響を受けます。




また、薬剤には非吸収性のものもありますし
徐放性製剤(内服してからゆっくりと効いてくる)などのものもありますので
正直な話、後発品としての効能・安全も含めて
臨床上、問題になるところではあります。


先発医薬品も当然不純物を含んでいますが、
臨床試験により不純物を含んだ製品としての有効性および
安全性が確認されています。

これに対して、製造法が異なる後発医薬品は
先発医薬品とは異なった不純物を含有する可能性があり、
未知の不純物に起因した副作用の発現や
臨床効果の違いが生じる可能性もあります。

米国FDA は後発医薬品の各製剤に対して
治療同等性(安全性、有効性)を含めたランク付けを行っており、
すべての条件を満たしたものだけを「同等である」としているのですが、我が国にはこれはありません。


つまり先発品と後発品の違いは、
同じ設計図で、片方は近代建築業者が建築し
片方は、宮大工が建築したものくらいの違いがあると
そう表現される先生もいらっしゃるほどです。




当院では、安全性・効果・安定供給を考え
特に循環器系の薬剤については
後発品の導入はしておりません。

また、経験に則った上で、有効である薬剤に関しては
後発品も使用しております。

先発品と後発品は決して同じ物ではありません。
先発品を凌駕するものもあります。


あなたの健康のだめには、慎重に選択いたしましょう。




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