SSブログ

薬価設定の矛盾 [医薬品]

最近、高脂血症で新しい機序の薬剤が販売承認を受けました。

 
この薬剤は、
なかなかコントロールがつかない高脂血症に対して福音を授ける物と考えられています。
よく中性脂肪とLDL-Cが2つとも高い方がいらっしゃいます。
そういった時に、
コレステロールを下げるお薬と中性脂肪を下げるお薬を併用出来れば良いわけです。
 
ただ、理屈はそうではありますが、
コレステロールを下げるお薬と中性脂肪を下げるお薬の併用は
横紋筋融解症という重大な副作用が起こりやすくなります。

 
この薬剤は、選択的PPARαモジュレーターで中性脂肪を低下させHDL-Cを増加させます。
選択的に働くために、薬剤の量もかなり少なくなります。
 
スタチンとの併用についても、問題となる薬剤血中濃度の変化もなかったとのことです。
つまり、スタチンの単独投与と同様な安全性が確認されている薬剤です。
 
 
ですので、今までの薬剤とは決定的に異なるものと言っても過言ではありません。

 
この薬剤は、日本発の薬剤で、莫大な開発・研究費がかかっています。
製薬会社も民間企業ですから、資本注入した分は回収しないとなりません。
そこで薬価に反映されるのですが、厚労省は薬価が高すぎると販売の止めています。
これだけ福音がもたらされる薬剤であるのに。。。

過去には、Tという薬剤が安すぎたために、
新規の同系列薬剤Cでは別系統の薬剤を基準として薬価が決められた事もありました。

おかしな薬価の決め方ですね。


国が責任持って開発費から面倒をみるシステムを作らないと
今後日本から優秀な薬剤の開発はなくなるでしょう。
nice!(0) 
共通テーマ:moblog

nice! 0

ブログパーツ時計

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。